運命は愚者を支配する

ハーブ, 占星術

メディカルハーブやアロマの資格試験の勉強をしたことのある人なら、ニコラス・カルペパーの名前は聞いたことがあるかもしれませんね。17世紀のイギリスのハーバリストとして歴史に名を残しています。

カルペパーは占星術師でもありました。当時は占星術を医学に用いるのは一般的なことだったのですが、カルペパーは実は正式には薬剤師の資格も医師免許ももっていなかったようです。それで「魔術」を使ったとして裁判にかけられたりもしたのですが、当時ラテン語で書かれていた薬局方を英語に訳して誰もが読めるようにしてしまったり、貧しい人たちに治療を行ったりして医師たちの反感を買ったためのようです。

実は今、メディカルハーブの卒論をそろそろ書かなくてはいけなくて、興味のあったカルペパーをテーマにしようかと(おいおい、壮大すぎるぞ。数枚の論文なのに(汗))『占星医術とハーブ学の世界』という本を読んでいるのですが、その中にカルペパーの次のようなグッとくる言葉がありました。

「賢者は自分の星を支配し、星は誘うことはあっても強いることはない」

「運命は愚者を支配する」

「あらゆる状況にそなえて心の準備をし、手を尽くして努力し、よいことを増大させて悪いことを軽減する者が賢者である」

うーん、素晴らしいですね。

心理占星術のノエルティル氏も「星は何もしない。動くのは人間だ」と言っています。

「あらゆる状況にそなえて心の準備をし、手を尽くして努力し、よいことを増大させて悪いことを軽減する」真の賢者であれば、本当は占術も何もいらないのですよね。

でも、私は天気予報のようなものだと考えています。知っておけば準備もできるし、便利だけれど、100%あたるわけではないから振り回されるのはおかしい。

「明日台風が来る」と聞いて、不安になって悪いことばかり考えたり、嘆き悲しんだりする人はあまりいませんよね。台風が来ても仕事にいかなければならないのなら、通勤がスムーズにいかないことを考えて早めに家を出たり、雨具を着たりしてでかけるでしょう。備えあれば患いなし。でも、登山に行こうと思っていたのなら、さすがにあきらめますよね。

せっかくの天気になるというのに、どこへも行かずに籠っているのはもったいない。そんなときこそ登山に行くべきです。占いってそんなものかと。

占星術とは、未知の可能性も教えてくれる奥深いもの。

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