ハーブ, 植物, 雑記

昨日は久しぶりにお能を観に行ってきました。演目は『羽衣』。羽衣を漁師に取られた天女が、返してもらうのと引きかえに舞を舞って月に帰っていくという幻想的な内容です。夢幻能と呼ばれるお能では、この世のものではない存在が必ず出てきます。お能に特徴的な舞台の橋の部分は、あの世とこの世の架け橋なんだそう。

お能の前にはたいてい狂言が演じられます。厳かな雰囲気のお能と違ってコミカルです。今回の演目は『附子(ぶす)』でした。猛毒の附子の入った容器を絶対に開けないように、と主人に言われて留守番をさせられた家来二人が、好奇心に負けて開けてしまうどころか、味見までしたところ、なんと美味。それは当時貴重だった砂糖なのでした。すっかり平らげてしまった二人。どうしようかと考えた挙句、主人の大切な掛け軸やら茶碗やらを壊して、そのお詫びに毒を口にして死のうと思った、と言い訳するというオチ。

さて、この「附子」って何でしょう。


「ぶし」とも呼ばれる、猛毒の植物、トリカブトのことです。附子にはアコニチンという毒性の成分(アルカロイド)が含まれ、呼吸困難や心臓発作を引き起こしますが、修治という特別な処理を施すことで生薬としても使われます。「麻黄附子細辛湯」のように、漢方薬の名前の一部に入っています。附子は、鎮痛、抗リウマチ、強心などを目的として使われるようです。

歌舞伎では、『東海道四谷怪談』でお岩さんが飲まされたのも附子ということになっています(だからあんな顔になってしまったといういきさつは、歌舞伎を見て初めて知りました)。

「ブス」という言葉も、附子によって神経が麻痺して無表情になることに由来するという説もあります。

英語ではmonkshood。僧侶の (monk’s)かぶりもの(hood)という意味ですが、そう言われてみると、花の形は修道士のかぶりものみたいにも見えてきますね。

ギリシャ神話では、3つの頭をもつ冥界の番犬、ケルベロスのよだれから生まれたということになっています。ケルベロスはトートタロットでは「#9 The Hermit」に描かれています。

ホメオパシーでもアコナイトという名前でレメディが作られています。よく使われるレメディで、不安や恐怖、風邪の初期症状に使われるそうです。

では、フラワーエッセンスはあるのかというと、FESフラワーエッセンスにmonkshoodの名前でありました。霊的な能力が開花するのを恐れてそうした能力を抑圧したり、トラウマや虐待によって霊的能力が麻痺した状態に用いるそうで、ポジティブなスピリチュアリティが育つようです。

トリカブトって、そのまま使えば猛毒ですが、そのエネルギーは深いものなんですね。ハーバルアストロロジーでの対応はやっぱり冥王星なのかな?と想像が広がっちゃいます。