フランキンセンスの意外な効能

からだ, ハーブ, 分子栄養学

ちょっと前に、スイカズラの精油が欲しくて某ショッピングサイトで買ったら、間違ってフランキンセンスの精油が送られてきました。返品不可の商品だったので返品できなかったのですが、返金だけしてくれたので、使うことに。フランキンセンスの香りはクセがあってあんまり好きじゃなかったのだけれど、使っているうちにいい香りに思えるようになってきたのは不思議。

フランキンセンスはカンラン科のボスウェリア属の樹木から採れる樹脂です。フランキンセンスには意外な効能があって、私は以前に、精油は使っていなくても、サプリメントを摂っていたことがありました。その効能とは、抗カンジダ作用。

カンジダと言っても、口腔カンジダや膣カンジダなど、いろいろあります。精油はよくビデに垂らして膣カンジダに使われるようです。入れ歯の使用による口腔カンジダにも使われています(この記事の英語箇所)。

実は腸カンジダも結構よく見られるんです。カンジダ菌は常在菌で日和見菌なので、腸の状態が良ければ問題を起こしませんが、腸内環境が悪化すると悪玉化します。菌糸を出して腸壁にがしっと根を張るので、腸壁に穴が開くリーキーガットも引き起こします。リーキーガットになると、未消化のタンパク質など、本来通さないものも通してしまうし、カンジダはアセトアルデヒドを発生するので、酔っ払ったときのように頭がボーっとしたりもします。アセトアルデヒドの分解の補酵素として必要なナイアシンも無駄に消費することになるのです。

カンジダは甘いものが大好き。そして鉄などのミネラルも栄養にします。甘いものがやめられなくて腸の調子が悪い人は、カンジダ菌が繁殖している可能性があります。ミネラルなどの栄養もどんどん奪われるので、いろいろ不調が出てきます。私もかつてそうでした。

抗真菌薬で除菌することもできますが、善玉菌もやられてしまうし、食生活を改善しなければまた増えてしまうので、栄養療法でよく使われるのが、ハーブサプリメントです。そのうちのひとつがフランキンセンス。学名のBowelliaとして、iherbなどで手に入ります。精油ではアフリカ産のBoswellia carteriiがよく使われるようですが、サプリメントではインド産のBoswellia serrataがほとんど。論文を調べてみても、カンジダ菌に対して抽出液として使われているのはserrataです。

ほかのハーブは、オレガノ、パウダルコ、ウワウルシ、ゴールデンシール、グレープフルーツシードエクストラクトなどが使われます。1種類を長期にわたって使っていると耐性ができるので、いろんな種類を交替で使うか、カンジダサポートなどの複合サプリメントを使いましょう。

カンジダのエサになる甘いものはもちろん、腸内環境を荒らす人工甘味料や小麦粉・乳製品もできるだけ避けた方がいいですね。腸活っていうと、乳酸菌だの、摂ることばかりを考えがちですが、腸に悪いものを摂っていたらプラマイゼロですよ。