遅延型フードアレルギー検査でやたらと反応が多い場合は?

からだ, 分子栄養学

前々回を含め、これまでに腸内カンジダ対策について何度か書きました。カンジダ菌は常在菌ですが、腸内環境が悪化して悪玉化すると、菌糸を腸壁に食い込ませて、リーキーガットという、腸に穴の開いた状態を引き起こします。

ひゃー、恐ろしい!と思うでしょうが、意外とリーキーガットになっていることは多いのです。甘いものがやめられない(カンジダは糖が大好き)、頭がボーっとする、集中力がない、下痢や便秘をよくする、疲れやすい、などがあれば、カンジダが増殖しているかもしれません。そうした状態で、鉄や亜鉛などのサプリメントを摂っても、カンジダに奪われて、かえって腸内環境を悪化させてしまいます。

では、カンジダが増えているかどうかというのは、どうしたらわかるのでしょうか。

分子栄養学では、尿有機酸検査でカンジダの代謝物をチェックします。酒石酸やアラビノース、シュウ酸の値が上がっていれば、カンジダが増殖している可能性大です。

それから、遅延型フードアレルギー検査でも推定できる場合があります。遅延型アレルギーというのは、即時型アレルギーとは違って、すぐに反応が出ないアレルギーのことです。症状が出るまでに時間がかかるので、わかりにくいのです。原因不明の慢性的な頭痛や胃腸の不具合などが、特定の食べ物に対するアレルギー症状だった、ということも実はあるんです。

で、この検査を受けると、やたらといろんなものにアレルギー反応が出ていることがあります。遅延型フードアレルギーは、同じものを食べ続けることで発症するので、数ヵ月その食物をやめれば治るのですが、あまりにも多くの項目に反応が出ていると、「何も食べられないじゃん(/_;)」ということになってしまいます。

でもこれ、実は、リーキーガットが起きていて、本来は腸壁を通らないはずのものがたくさん通ってしまっているために、アレルギー反応が起きているのです。

なので、アレルギー反応の出た食物をすべてやめなければならない、というよりは、まずはリーキーガットを治すことが先決で、治れば自然にアレルギー反応も減っていくはずです。

そのためには、まずは小麦・乳製品をやめること(グルテン・カゼインフリー)。そしてもちろん、砂糖や添加物もできるだけ避けましょう。腸壁を修復するにはグルタミンが必要ですが、グルタミンは、ビタミンB6が不足していることの多い発達障害のお子さんなどは摂取するとグルタミン酸が増えて脳が興奮しやすいので、注意が必要です。

私も6年ほど前に検査を受けたときには、たくさんの項目に反応が出ていたのでビックリしました。今では腸の状態はずいぶん良くなったけれど、昔は頭がしょっちゅう、霧がかったようにボーっと(いわゆるブレインフォグ)していましたからね。

少しずつでも食習慣を変えていけば、人生も変わりますよ!