だるさや眠気は低血糖が原因のことも

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久々にリブレという24時間持続血糖測定器を使っています。これは、14日間連続で血糖値(正確には、血液ではなく間質液中のグルコース値で、実際の血糖値とは少しタイミングがずれます)を測れるというもので、処方箋なしでネットでも買えます。

私が血糖値を気にするようになったきっかけは、以前にも書きましたが、発達障害があると血糖調節異常があることが多いというのを知ったからでした。実際、私もかなりの低血糖を頻繁に起こしていたのです。ちなみに、空腹時血糖も、過去1~2ヵ月の血糖値の平均を示すHgA1cも正常です。

血糖調節異常というのは、この頃は「血糖値スパイク」という言葉で知られるようになってきましたが、特に珍しいものではありませんし、発達障害傾向がなくても、よく起こります。最近では、女優の中谷美紀さんが血糖調節異常で食事に気を使っているという記事がネットに出ていました。血糖値スパイクは、肥満の人に起きるものだろうと思っている人もいるかもしれませんが、痩せていても起こります。私も痩せているほうです。

高血糖になっても自覚症状はないのですが、低血糖になると、食後の異常な眠気やだるさ、感情のアップダウンなどが見られます。ひどくなると、手の震えや動機なども起こります。ですが、あまりに長い間頻繁に低血糖を起こしていると、慣れっこになってしまって、変化を自覚できないこともあるのです。夜間、睡眠中に低血糖を起こしていることもあります。

機能性低血糖症とも呼ばれる低血糖の原因には、インスリンの過剰分泌や分泌の遅れなどが挙げられます。そのため、糖質制限が勧められることが多いのですが、あまりきつい糖質制限をやってしまうと、糖新生(糖質の代わりにタンパク質や脂質を糖質に変換してエネルギーを生み出す仕組み)などのバックアップシステムが上手く機能していない場合には、かえって低血糖になってしまいます。たとえば、副腎疲労気味で血糖値を上げるホルモンがあまり出ないとか、肝臓が弱っていてグリコーゲンを溜められない、筋肉量が少ない、脂質を糖質に変換するβ酸化が上手くいかない、そもそもタンパク質や脂質が上手く消化できていない、などです。

そういう場合には、急激に血糖値を上げやすいもの(砂糖、特に異性化糖)はできるだけ避けて、なるべくデンプンの形で糖質をある程度摂ることも必要になります。小麦や牛乳に含まれるグルテンやカゼインで腸が荒れるとリーキーガットを起こし、腸壁の細胞のつなぎ目が緩んで、本来通すべきでないものも通してしまうので、血糖値の上がり方も早くなります。

そんなふうに、「機能性低血糖症→糖質制限」という単純なことではなく、消化力なども含めて、ほかのことも考慮する必要があるのです。私も最初は、しっかりと糖質制限をしていたら、血糖値スパイクは減ったものの、次第にエネルギー不足になり、中性脂肪も30台にまで減ってしまいました。副腎疲労や消化力のなさを考慮していなかったからです。リーキーガット対策や消化酵素やベタイン塩酸塩のサプリで消化力を上げる、β酸化に必要なカルニチンのサプリやMCTオイルを摂るなど、いろんな方面からアプローチすることで改善しました。筋肉をつけることも必要。

低血糖はうつやパニック障害とも関連があると言われていますし、低血糖症状には注意力低下なども含まれます。そういった精神状態の不調や発達障害的な症状に困っている場合は、まずは食生活を見直してみるのがお勧めです。特に、今どきのお子さんは、昔と違って、清涼飲料水(ポカリも含む)を大量に飲んでいることがよくあります(昔は2Lのペットボトルなんてなかったですから)。液体の甘いものは特に急激に血糖値を上げやすく、インスリンが大量に分泌されて、その後に低血糖を起こしやすいのです。

今回測定を始めて1週間ちょっと。低血糖は起こさなくなったようで、夜間低血糖も見られません。どうやらバックアップシステムはしっかりしてきたようです。ただ、低血糖は起こさなくなったものの、市販のものを食べて砂糖が入っていたりすると、200を超えてしまうこともありました(ちなみに、私は空腹時血糖もHgA1cも正常です)。その後で急激に下がることはなくなりましたが。でも、この機会に改めて食べるものを見直してみようかと。父が糖尿病なので、私も気を付けたほうがいいんだろうと思います。

血糖値スパイクは血管を傷つけて動脈硬化にもつながります。ちなみに、インスリンはブドウ糖を脂肪細胞に取り込む作用があるので、なるべく血糖値を急激に上げない食べ方をするというのは、インスリンを大量に出さなくていいので、ダイエットにもつながるのです。

人生100年時代、長生きするにしても健康でいたいですよね。そのためには血糖モニタリングはいい方法だと思いますよ。