ハーブ, 占星術,

現代でもインドのアーユルヴェーダなどでは占星術を取り入れているようですが、西洋でもかつては占星術は医学の一部でした。医学と占星術との関連は、エジプトのヘルメス思想の「As above, so below(上なるものは下なるもののごとし)」という考えに基づいていて、人間は宇宙(大宇宙)の縮図(小宇宙)とみなすことによるそうです。

昔は薬草を使っていたわけですが、ハーブ自体も天体や星座に対応させていました。一日の時間も1時間ごとに天体と対応づけていたのですが、そのハーブに対応する天体が支配する時間帯に採取するのがよいとされていたそうです。その植物の力が最も高まると考えられていたんですね。

ハーブを天体に関連づけるって、いったいどうやって?と不思議に思いますが、その植物の性質や生育環境などに基づくようです。たとえば、17世紀のイギリスの占星術師、ウィリアム・リリーによると、赤みを帯びていて、葉の先端が細くとがっているハーブは火星に対応するとか。ネトルなどがこれに当たります。辛味のあるハーブも火星対応で、マスタードシードなどがあります。金星に対応するのはいい香りがするハーブ。金星といえば、美と愛の女神ヴィーナスやアフロディーテが司っているので、ドクダミなんかは金星対応ではなさそうですよね(笑)。

土星に対応するものは毒性のあるものが多いようです。以前に記事に書いたトリカブトは、同じく17世紀のイギリスのハーバリストで占星術師でもあったカルペパーによる分類には見当たらなかったのですが、ウィリアム・リリーは土星に分類していました。

でも、昔は土星までしか使わなかったので、天王星、海王星、冥王星とは対応づけられていなかったわけです。この3つのトランスサタニアンの天体も考慮に入れれば、ケルベロスのよだれからできたとされるトリカブトはやっぱり冥王星の方が相応しいんじゃないかとも思うのだけれど。そう考えると、ケシも土星に分類されているんですが、幻覚作用があるから、海王星の方がしっくりきます。

ハーバリスト、カルペパーの名前は、ハーブやアロマを勉強している人なら、歴史のところで必ず出てくるので、聞いたことがあるかと思います。どういう人物なのかはあまりよく知られていませんが、37歳で幕を閉じたその短い生涯は波乱万丈で、「赤ひげ」のような魅力的な人物だったようです。短命だったにもかかわらず、数多くの著書や翻訳書を残し、数百年経った今でも読み継がれている本もあるわけだから、偉業を成し遂げたわけです。当時ラテン語で書かれていた薬局方を英語に訳して誰でも読めるようにして一般人が自分で薬草を使えるようにしたのも、大きな功績ですよね。興味がある方は『占星医術とハーブ学の世界』をぜひ読んでみてください。ハーブに興味がある人にも、占星術に興味がある人にも、どちらにとっても奥深い本です。西洋医学って、そもそもはホリスティックだったんだなあとしみじみ思った一冊です。