感染対策は正しく

日々の工夫,

4回目の緊急事態宣言が出されて、マスク生活も1年半にもなってしまいました。ワクチンが接種できるようになったものの、感染しないか心配という方も多いんじゃないでしょうか。

アルコール消毒や手洗いうがい、マスクの着用など、巷ではいろんな感染対策がなされていますが、かねてから、疑問に思っているものもいくつかあります。

たとえば、エアロゾル感染(空気感染)だというのなら、フェイスガードって意味あるの?とか、図書館の本は消毒までしなくちゃいけないもの?だったら宅急便の箱はどうなるの?とか。

そんな疑問に答えてくれる本がありました。先日読んだ『新型コロナの大誤解』という本、著者はウイルスセンター長の肩書きをもつ方なので、説得力は抜群。専門家と言われる人たちが、日々メディアでコメントしていますが、感染症専門家であっても、細菌の専門家とウイルスの専門家では持っている知識が違うようです。この本を読んで、たくさんのことを初めて知りました。

たとえば、ウイルスは細胞内に寄生するので、物の表面では短時間しか生きていられないため、テーブルやいすのアルコール消毒の必要はないとのこと。しかも、消毒するものに汚れがついていれば効果がないので、単なるアルコールの無駄遣いでしかないのだとか。

では、どうやって感染するのかというと、ウイルスとひと口に言っても、種類によって感染ルートが違うのだそうです。結膜から感染するのは、アデノウイルスやエンテロウイルスなどなので、新型コロナウイルスは目から感染しないのです(なので、ゴーグルは無意味)。皮膚や血液や消化器からも感染しません。

新型コロナウイルスやインフルエンザは呼吸器からのみ感染するそうです。ということは、仮に指にウイルスが付着しても、目をこすっても感染しないし、鼻もこすったくらいでは感染しないということです(鼻の穴に指を突っ込んで粘膜を触らない限りは)。なので、手洗いもあまり重視する必要はなく、うがいの方がずっと大切だそうです。鼻うがいも勧められていました。

もちろん、空気感染なので、マスクなしでフェイスガードをしても意味なし。「空気感染」という言葉はなぜかメディアでほとんど使われていませんが、感染力が強そうなイメージがあるので、使わないのではないかということでした。

たまに、公衆トイレに、「感染防止のために蓋をして流しましょう」という貼り紙があって、頭の中にはてなマークが飛び交っていたんですが、やっぱり、感染ルートを考えれば、そんな必要はないってことなのでしょうね。

大は小を兼ねる、で、気をつけるに越したことはないのかもしれないけれど、感染対策のつもりが、危険を高めている場合もあるようです。

パーティションやビニールカーテンは、飛沫を防ぐには効果的だけれど、そもそも空気感染なので完全に防げるわけもなく、すぐ後ろに壁があるなどの狭い空間では、隙間から入ってしまったウイルスがなかなか出ていかないことにもなりかねないのだとか。

ちなみに、ウレタンマスクは効果はほぼゼロだそうです。遺体からウイルスが出る心配もまったくなし。

ここに書ききれないくらい、そのほかにもいろいろありますが、ウイルスの専門家から見るとそういうことなんだ、と目からウロコでした。

情報や恐怖に振り回されずに、正しい知識を入れるのは大切ですね。感染が怖いという方は、ぜひこの本を読んでみてください。もちろん、多少吸い込んでも免疫力でやっつけられるように栄養状態を整えることもお忘れなく。