からだ, 分子栄養学

先日に受けた市の健診の結果が送られてきました。どの項目も基準範囲内なので、以前は大して関心がなかったのですが、分子栄養学の勉強を始めてから、この血液検査データが情報の宝庫だということを知り、毎回結果を受け取るのが楽しみになりました。

今では、年に1度は分子栄養学クリニックで詳細な血液検査を受け、それ以外に、項目の少ない市の健診も受けているので、年に2回、血液検査を受けていることになります。その結果に応じて、食事内容やサプリの種類や摂取量を調整しています。

私の手元には、10年前からの市の健診データがあります。何となくとっておいただけのものなのですが、よくぞとっておいた!と自分を褒めたくなるほど貴重です。分子栄養学の観点からあらためて見返すと、面白いことがわかるのです。

私が分子栄養学に興味をもったのは5年ほど前で、それ以前は、実はベジタリアンでした。菜食しているし、健診の結果も問題ないから健康的、そう思っていたのですが、実際のところは、体力がなく、メンタルも不安定で、疲れやすいのが悩みでした。

当時の血液検査データを今見てみると、項目が少なくても、その体調の悪さが反映されています。たとえば、AST(アスパラギン酸アミノ基転移酵素[GOT])・ALT(アラニンアミノ基転移酵素[GPT])という項目。10年前のデータでは、それぞれ17と8でした。一般的には肝機能の指標なので、当然まったく問題ありません。でも、分子栄養学的には、違った見方ができるんです。

AST・ALTは肝臓に多く含まれる酵素で、肝細胞が傷つくと血液中に漏れ出すので、一般的には肝機能の指標。けれども、酵素というのはタンパク質でできているので、この値が低い場合は、タンパク質不足と考えることもできるのです。また、これらの酵素はアミノ酸の変換やタンパク質合成にかかわっているので、数値が低ければ、タンパク質合成も十分にできていないということも考えられます。当時は、運動しても筋肉がつかない、と思っていましたが、そもそも材料が少なければ、筋肉が作られないのは当たり前。

分子栄養学では、この2つの値はどちらも20くらいが理想的とされています。そして、ASTよりALTが2以上低い場合は、補酵素であるビタミンB6不足が考えられます。ビタミンB6は腸内細菌によって作られるので、腸内環境が悪いことも推測できます。また、ビタミンB6が少なければ、ビタミンB群が全体的に少ないとも言えます。ちなみに、肝脂肪があるとASTよりがALTが高くなるのですが、肝脂肪とB6不足が同時にあると相殺されるので、一見バランスよい値に見えるので要注意。

それから、ALTは低血糖の際にアミノ酸から糖新生を行うのにも使われます。つまり、この値が低ければ、低血糖が頻繁に起きていて消耗していたり、糖新生ができなくてさらに低血糖に陥ったりします。

ビタミンB群は神経伝達物質の生成に必要なので、不足すればメンタル状態も悪化しますし、低血糖もメンタルを悪化させます。実際、私も当時はメンタル状態は悪く、瞑想をして何とか保っていたようなものでした。だから、今しみじみ思うのは、瞑想者やスピ系の人でベジタリアンというのは注意が必要だということです。瞑想や菜食で心は清らかになるんだけれど、ストレスにはすごく弱くなるという。大豆はアミノ酸スコアは低いので、やっぱりそれだけでは無理があるのではと今では考えています。

さて、その後栄養療法を始めて、5年前のデータではどちらも19。いい感じです。一時期、ナイアシンサプリの影響でASTが28まで上がってしまったので、ナイアシンアミドに替えたら、下がりました。

去年の数値は21と13で、アミノ酸をサプリで摂っていて、相対的にB6が不足してるのかなと思ったので、B6の量を増やしました。今年は24と19。アミノ酸の量を減らせばバランス良くなりそうです。

とまあ、こんなふうに私は血液検査データを活用して、栄養の過不足を整えています。長くなるので今回はほんの一例としてAST/ALTを取り上げただけですが、ほかにも市の健診では、個人的には中性脂肪やコレステロールも低すぎないかを毎回チェックしています。本当はタンパク質は、総タンパクやアルブミン、BUNやγ-GTPなども参考にします。ちなみに、コレステロールもタンパク質でできているので、あまりにコレステロールが低値の場合も、タンパク不足が疑われるかもしれません。また、脱水があると、血液が濃縮してタンパク質の指標の値が上がって一見正常に見えてしまうということもあります。

もちろん、データありき、ではないので、実際の体調がどうかというのが重要です。体調が良ければ、こんなに細かく気にする必要はありません。ただ、病気ではないけど調子が悪いというときには、血液検査データでその原因が見つかることがあるんです。

分子栄養学クリニックで受けられる血液検査では、多くの項目があるので、全体を加味しながら紐解いていくわけですが、この作業、何かに似ている…と思ってあるとき気づいたのは、ホロスコープの解読。1つの天体だけを取り上げて、○○座にあるからあなたはこういう人です!とは言えないのと同じように、血液検査の読み方も、1つの項目だけを取り上げて、「タンパク不足」と安易に決めつけられないのです。どちらも知れば知るほど奥が深い。まだまだ精進。