思春期の子どもはなぜ切れやすいのか

からだ, こころ, 分子栄養学

最近お気に入りのおやつがこれ。ノルウェー産のクリスプブレッドです。たまたまお店でセールで売られていたのを買ってみたのですが、とても美味しい。あともう1種類、オーツ麦のものもあって、どれもグルテンフリー、シュガーフリー(オーツ麦だけはちみつ入り)です。何か載せてもいいし、そのまま食べてもいけます。

オーツ麦やライ麦やキヌアはビタミンB群やミネラルなどが豊富。さらにナッツもたっぷり入っているので、ミネラルはさらにアップ。小麦粉を使っていないので、グルテンで腸を荒らすこともなく、食物繊維をたっぷり摂れます。

先日、分子栄養学の勉強をしていて、面白いことを知りました。背がいちばん伸びやすい2~3歳と思春期は、骨が成長するためにALP(アルカリホスファターゼ)という酵素が増えるのですが、補酵素である亜鉛とマグネシウムも大量に消費されるのだそうです。

ミネラル不足はイライラに直結します。なので、この時期の子どもがキレやすいのは納得。

これに加えて、砂糖やブドウ糖果糖液糖(これは特にキケン)のたっぷり入った清涼飲料水(ポカリも含みます)を大量に飲めば、血糖値の上下が激しくなって情緒不安定に。昔は2Lの清涼飲料水なんてありませんでしたが、今は冷蔵庫に入っているのは当たり前。今の子どもはガブ飲みできるのです。

興奮作用のあるグルタミン酸や鉄の吸収を妨げるリン酸塩などの添加物が入った食品をたくさん食べれば、さらにイライラは悪化します。加えて、女の子は思春期に生理が始まるので、鉄不足に拍車がかかります。

そのため、おやつを含め、食事には気をつけて、ビタミンやミネラルが不足しないようにする工夫が必要です。

特に、発達障害がある子どもは、腸内環境が悪いことが良く知られているので、腸内環境を悪化させるグルテンやカゼインの入った小麦・乳製品はできるだけ避けたいところ。

手のかかる子どもにイライラして仕方ない、というお母さんも、実はビタミン・ミネラル不足だということもよくあります。家族はだいたい同じようなものを食べているので、それも頷けますよね。

ちなみに、漢方では、子どものイライラには「抑肝散」が使われます。その抑肝散の効果を検証する実験で使うイライラマウスを作るには、亜鉛不足のエサを与えるのだそうです。亜鉛欠乏マウスは攻撃的になり、血中のコルチゾールが増えますが、抑肝散はコルチゾールも抑えてくれます(論文はこちら)。

グルタミン酸はNMDA受容体にくっつくことで、興奮が起こりますが、抑肝散はそれも防ぐそうです。

しょっちゅうイライラしている、怒りっぽいなどは、性格の問題として片づけられてしまうこともよくあります。でも、栄養の過不足だということが意外に多いんですよ。更年期の精神状態の問題も、栄養の問題とからんでいる場合も少なくないと思います。

まずは食習慣を見直してみましょう。