土星を上手く活用するには?

占星術

占星術では土星はマレフィック(凶星)と呼ばれ、忌み嫌われがちです。土星には「制限」「抑圧」「忍耐」「遅延」などの意味があるので、どうしてもいいイメージがありません。ソーラーアーク(進行図)やトランジット(経過図)の土星が出生図の天体にハードアスペクトを取っていると、何か良くないことが起こるんじゃないかと心配になったりもします。

でも、心理占星術では、天体を必ずしも「凶星」「吉星」で白黒つけたりはしません。どの天体であっても、悪い面もあれば良い面もある。それを理解すれば、自らを見つめ直して行動を改め、成長するきっかけにすることもできるのです。

土星は30年弱でホロスコープを1周します。なので、出生図の天体や感受点のどれかと0、90、180度となる時期は結構頻繁に起こってきます。そのたびに怯えていては身が持ちません。そのエネルギーを逆手にとって、上手く活用しましょう。

土星には「真面目さ」「責任感」といった意味もあるので、真面目にコツコツやることが必要。土星は時間の神であるクロノスの星。「遅延」という意味は「時間がかかる」ということですが、それを「時間をかける」という風に解釈すれば、違ったものに見えてきます。時間をかけて地道に取り組むことで、物事は成熟して長期的な実りをもたらすわけです。

常識を踏まえることも大事。天王星は改革の星ですが、土星は保守を表します。だから、新しいことをやりたくても、一気にガラッと変えようとするのではなく、現実を踏まえて長期戦略を取る必要があります。

「構造」を表す土星がコンタクトを取っている時期は、物事の取り組み方や時間の使い方を組み立て直すのもポイントです。

最近よく読んでいるGreg Bogartの本にも次のような深いことが書いてあります。

「土星は物事の達成や熟達を表すが、それは絶え間ない努力の結果だ。土星は私たちに、地上での学びを習得し、忍耐強くなり、責任を果たして、目標を達成することを教えてくれる。土星は、成熟するという終わりのない課題と、忍耐力や集中力、そして粘り強さを培う必要性を表しているのだ。」


トランスサタニアンと呼ばれる 、土星より遠くにある天体(天王星、海王星、冥王星)には、現実(土星)を越えた、もっと宇宙的な要素が加わってきますが、やはりその手前には土星(現実世界)があるわけです。

いわゆるスピリチュアル好きな人の中には、夢見がちで現実がおろそかになりがちな人が少なくありません。夢は壮大でも、実際には生活もままならないということもしばしば。この現実社会をすっ飛ばしてその先に行こうというのは、やはり上手くいかないのだろうと思います。それを教えてくれるのが土星先生なのですね。でも、ストイック(土星)になりすぎると、うつ(土星)っぽくもなるので、ほどほどに。

かくいう私は、去年は太陽、今年は月がトランジット土星の影響をもろに受けています。いろいろあっても腐らず、あらためて物事を見直してみると、本当に自分がやりたいことがよくわかってきます。それで最近は、時間のかかる洋書などをちまちまと読み進めているわけです。これも長期的にみれば、実りをもたらしてくれるだろうと。