怒りの感情が示すもの

こころ, 分子栄養学, 占星術

「怒り」はマイナスのイメージで捉えられることがほとんどです。「アンガーマネジメント」というものがあるくらい、野放しにしてはいけない、コントロールすべきものとして考えられています。確かに、怒りを野放しにするべきではありません。でも、重要なメッセージを伝えている場合もあるのです。

占星術では、怒りを表す天体は火星です。火星は闘いの星。行動や活力も表します。そして、警察や軍隊も象徴します。そう、必ずしも悪い意味ではなく、何かを守るために行動して闘うということです。自己主張も表します。

善い人間であろうと日頃努力している人ほど、自分の中の怒りを抑圧してしまうことがあります。ホロスコープで、火星が土星や海王星とハードアスペクトをとっていたり、12ハウスに入っていたりする場合も、その傾向がみられることがあります。

でも、怒りという感情は、何かが間違っている、不当に扱われている、などの状況に対して闘うべく行動する必要性を示していることもあるのです。本当は怒るべき時なのに、それができずに笑って誤魔化してしまったりする人もいます。怒りを表さないと、「この人はこのくらいのことでも怒らないのだな」と思われて、また同じことが起こりかねません。

身体レベルで見ると、怒りの感情が出てきたときにはアドレナリンが出ています。交感神経を優位にして戦闘態勢に入るわけです。

ところが、アドレナリンが出ているときに必ずしも怒りの感情が先にあったわけではないこともあります。普段ならちっとも気にならないことなのに、やけにイライラして腹が立ってくることはないでしょうか。特に、お腹が空いているときなどです。

お腹が空いて血糖値が下がってくると、血糖値を上げるホルモンが分泌されます。コルチゾールやアドレナリン、成長ホルモンなどです。そのうちコルチゾールは夕方4時ごろが分泌量が少なくなるので、この時間帯に血糖値が下がってくるとアドレナリンが出てしまいます。ちょうどこの頃にイライラしやすい人も多いのではないでしょうか。この時間帯でなくても、いわゆる副腎疲労(ストレスなどでコルチゾールが過剰に分泌されたために、下垂体によって逆にコルチゾールの分泌が低下した状態)の人は血糖値を上げようとしてアドレナリンが出ている場合があります。

カフェインの摂取もアドレナリンを分泌させます(コルチゾールも無駄に分泌させます)。たまにいますが、しょっちゅう怒っている人ややけにエネルギッシュな人の中には、カフェインを摂ることでアドレナリンを出してテンションを上げている人もいます。

そういうわけで、怒りの感情が湧いてきたときには、お腹が空いていないか、カフェインを摂りすぎていないかを振り返ることも大切。

そして、コルチゾールの分泌が低下するほどにストレスになっているものは何だろう?カフェインを摂ってまでテンションを上げなければならないのは何のため?と自問することもときには必要です。

ちょっと落ち着いたら客観的に怒りの背景を分析してみましょう。怒りの感情が湧き上がってしまうのは自らが未熟なため、と何でも片付けてしまうのは、かえって自分を責め、大きなストレスとなってしまう場合もあるので注意が必要です。必要なのは、怒りを鎮めることではなく、アサーショントレーニング、あるいは補食やカフェイン断ちなのかもしれませんよ。