岡本太郎とノーアスペクトの太陽

占星術

最近、Eテレでやっていた『TAROMAN』という5分間の番組にハマっていました。岡本太郎の作品である太陽の塔の顔をしたヒーロー、TAROMANが主人公の特撮番組です。岡本作品のモチーフが怪獣となってTAROMANと闘います。「こんな番組、昔あったの!?」と勘違いしてしまうほど、よくできた昔風の作りです。
岡本太郎と言えば、「芸術は爆発だ」という言葉が有名ですが、数々の名言が番組の中でも使われていて、くだらなさに思わず笑いながらも、ハッとさせられたりホロッときたりする不思議な番組。

「真剣に、命がけで遊べ」「なま身の自分に賭ける」「自分の歌を歌えばいいんだよ」などの言葉からは、ホロスコープで火の要素が強いのではないかと思ってしまいますが、実際にホロスコープを作ってみると、なんと、火の星座の天体はひとつもありませんでした。欠けているエレメントというのは、逆にその性質が強く出てくることがよくあります。

太陽はメジャーアスペクトがありません。ノーアスペクトの天体は、ほかの天体からの刺激がないため、その天体の特性を発揮するのに試行錯誤が必要です。漫画家の岡本一平と歌人で小説家の岡本かの子という、強烈な個性のふたりを両親にもったため、それに勝る自分らしさというものを見出すのに時間がかかったのではないでしょうか。出生時間がわからないので12時で作ってありますが、月は水瓶座と山羊座の境界付近。革新的な作風と、母親(月)である岡本かの子の破天荒さから、水瓶座の方がしっくりきます。

まっしぐらに画業の道を進んだわけでもなく、「何のために絵を描くのか」ということに悩んだようです。魚座の太陽は唯一、海王星とセスキコードレイト(135度)のマイナーアスペクトをとっています。生きる意味、描く意味が曖昧(魚座、海王星)になるというのを表しているように思います。その模索の過程で、パリでは民族学も学んだそうですが、各民族に共通する普遍的なものを模索していたのかもしれません。ピカソの作品を初めて見たときに衝撃を受け、後に抽象画について「この様式こそ伝統や民族、国境の障壁を突破できる真に世界的な二十世紀の芸術様式だったのだ」と述べています。まさに、魚座の太陽を見つけた、という感じですね。

太陽は、オーブを広めにとると土星とセクスタイル(60度)とも言えるのですが、こうして試行錯誤した経緯からは、やはりノーアスペクト的に働いているように思えます。力強い言葉の数々、そしてエネルギッシュな高度経済成長期のシンボルとなった太陽の塔は、それこそ命がけで人生の意味を追求してきた末に生まれたものだったのですね。

私も太陽の塔が大好き。写真の右は、昔行った展覧会にあったガチャガチャで出てきた太陽の塔の顔のオブジェ。いつも仕事机の上に置いていて、気持ちがくさくさしてきたときに眺めては、喝を入れてもらってます。