金星+冥王星の美意識

占星術

先日、テレビでエドガー・アラン・ポーのドキュメンタリーをやっていました。ポーは、『アッシャー家の崩壊』『モルグ街の殺人』『黒猫』などを書いた19世紀の作家です。私も子どもの頃に『黒猫』を読んで、怖くて怖くて仕方なかったのを覚えています。妖しげな作風もそうですが、ポーの生涯は、両親を幼少期に亡くしていたり、賭博やお酒に溺れたりと、冥王星や海王星のにおいがプンプンします。ウィキペディアにも「特に死に対する疑問、病や腐敗、早すぎた埋葬、死からの再生といったテーマ」を好んだと書かれています。

気になったので、ホロスコープを見てみました。1809年1月19日ボストン生まれ。Astro-Databankでは出生時間は午前1時となっていますが、正確かどうかは怪しいところです。

太陽は山羊座で水星とコンジャンクション。出生時間があやしいですが、3ハウスに入っているのは作家らしい。目につくのは、魚座のオーバーロード。月、金星、冥王星、木星がコンジャンクションです。これに対して蠍座の天王星がトライン。『モルグ街の殺人』は史上初の推理小説と言われているそうですが、革新性を表す天王星が効いている感じです。ウィキペディアにある「彼は雑誌の読者である大衆の興味を鋭敏に察知して作品に反映させており、その結果として骨相学や観相術、催眠術といった疑似科学をしばしば作品で取り上げた」というのは、天王星と月のトラインの影響でしょうか。

そして、おそらく、ソーラーアークで月と冥王星がコンジャンクションになった頃に両親が亡くなったのかもしれません。また、海王星のステリウム4天体に対して土星と海王星がスクエア。ステリウムには木星も入っているので、生涯やめられなかったほどお酒に溺れたというのもうなずけます。編集者としても確固たる地位を築いたようですが、生活にはずっと困窮していたそうです。

私が注目したのは金星と冥王星のコンジャンクション。ウィキペディアには「「美女の死と再生」はポーが好んで使用したモチーフであった。」とあります。そのまんまですね(金星=美女、冥王星=死と再生)。

ウィキペディアのページにあったポーの小説の挿絵に惹かれて、調べてみたら『エドガー・A・ポウと世紀末のイラストレーション』という本がありました。古本で安く売られているを見つけたのでさっそく購入。ハリー・クラークの絵がとても素晴らしい。

画像がボケてしまって、今ひとつ美しさが伝わらないかもしれませんが。ちなみに、私も乙女座8ハウスで金星と冥王星がコンジャンクション。しかも今はそれに対してトランジットの海王星がオポジションなのですから、こんな怪しげで緻密な絵に惹かれるのも無理はありませんね。