ゼロポイントのメンタル状態を目指そう

からだ, こころ, 分子栄養学

メンタルの状態と血糖値がリンクするということを知って、はや10年近く。自分でもいろいろ試行錯誤して、分子栄養学も本格的に学ぶようになって、その関連性を実感してきました。最近読んだのは、私が勉強している臨床分子栄養医学研究会のカリスマ講師、小池雅美先生の本。これまで読んだ数々の血糖値関連本の中でダントツによい。私の経験から言っても、本当に「気分と血糖値はほぼリンクする」のですよ。

「血糖値」と聞くと、ほとんどの人が「健康診断で血糖値が正常だから関係ない」と思ってしまいます。私も、空腹時血糖もHgA1cも正常。でも持続血糖測定器で24時間血糖値を測ってみると、食後の血糖値スパイクを起こしているし(200超えることもありました)、低血糖にも陥っていました。厳格な糖質制限を経て、今では糖質選択(血糖値の上がりにくい糖質を選ぶ)と食べ方や間食の工夫でだいぶ落ち着きました。かつては情緒不安定で、長年ヴィパッサナー瞑想をして客観的に自分の状態をモニタリングできるようになって、一見落ち着いたかのように思えましたが、それは単に、情緒不安定さを表に出さないようにコントロールしつつ客観的に見られるようになった(というより、今思えば低血糖症状を延々と観察していたということになるのかもしれませんが)というだけでした。それが、食事と栄養状態に取り組んだだけで、長年のジェットコースターのような情緒不安定さがあっさり収まってしまったのでした。これについては以前にも少し書きました(こちらとかこちらとかこちらを参照)。

それ以前に不思議に思っていたのは、たとえば、同じ人から同じことをされても、「まー、しょうがないな」と寛容にかまえていられることもあるのに、とんでもなくイライラすることもある、という自分の受け止め方の違いでした。なんで自分はこんなにイライラするんだろうか、と。今になってわかるのは、低血糖に陥っていて、アドレナリンが出てきていたのですよね。

なので、イライラするだとか、不安になるだとか、性格の問題のように思えますが、実は低血糖症状だったりするんです。低血糖になって、アドレナリンが出てくるとイライラし、ノルアドレナリンが出てくると不安が強くなります。そんなわけで、このことを知らずにいると、イライラや不安の原因を自分の外に探すことになります。目の前にいる人間がその原因だと思ってしまうわけです。そうすれば、人間関係にもヒビが入りやすい。血糖値の安定は人間関係の安定にもつながるのですね。

血糖値という視点を取り入れながら周囲の人間を観察していると、見え方が違ってきます。やたらハイテンションで元気だけど、コーヒーを手放せない人は、カフェインのドーピングで無理やり血糖値を上げて動いているんでしょうし、覇気のない人は、ろくにものを食べていなかったりします。占いの店に来るお客さんも、甘いジュースやコーヒーのカップを手に持ってやってくる人はメンタル不安定気味です。何度も何度も、「あの人は私のことをどう思っているのか」をタロットで占って欲しがる若い女性は、飴の袋を片手にして、1時間の間に何個もガリガリ食べていました。夕方4時ごろは、血糖値を上げるホルモンのひとつ、コルチゾールが下がって低血糖になりやすい時間帯なので、恋愛相談に来るダイエット中の若い女性はめそめそし出すことがよくあります。逆に、アドレナリンが出てキレ気味になる人もいますから、こちらは血糖値を安定させておかないと、たまったものではありません(笑)。

占いの店に出ているので、占いをやるわけですが、たとえば、手のかかるお子さんについて相談に来られる共働きのお母さんには、「仕事から帰って家族の食事を作る前に、イライラしないように、まずはご自分で何か軽く食べましょう(家族はイライラをぶつけられるより、多少食事が遅くなったほうがマシ)」とか、パートナーに大事な話をしようとしている人には「空腹状態で話をしようとするとケンカ腰になるので、ゆっくり食事をしながら話し合いをするようにしてください」といったようなこともお伝えしています。

この本では、「ゼロポイント」を目指すようにと書かれています。ゼロポイントとは、「心の中のノイズがすっと消え、ムダに感情に振り回されなくなる状態です。決して無感情になるのではなく、感情が必要以上にぶれなくなる」とのこと。この状態に達するには、瞑想やヨガなど、さまざまな方法がありますが、身体を作っているのは基本的には食べ物。決しておろそかにはできませんよ。