ストレス緩和にエゾウコギ
最近よく飲んでいるハーブがエゾウコギです。シベリアニンジンとか、エレウテロジンセンとも呼ばれています。ストレスへの対応力を高めるアダプトゲンハーブのひとつで、ほかにも様々な効能があって、朝鮮人参に劣らないのに、はるかに安価。免疫賦活作用もあるので、この時期に飲まない手はないのです。
抗ストレス作用や免疫賦活作用のほかには、疲労回復作用などがありますが、面白いところでは、運動能力・集中力・持続力の向上効果があるそうです。
旧ソ連がモスクワ五輪でメダルを独占したのは、選手たちがエゾウコギのエキスを飲んでいたからという説もあるそうですが、エゾウコギのどういった作用で運動能力が向上するのかとずっと疑問に思っていました。先日送られてきた日本メディカルハーブ協会の会報の特集が奇しくもエゾウコギで、その謎が解けました。ついでに、ずいぶん前に刊行された『蝦夷五加(エゾウコギ)の驚くべき効用』という本も読んでみました。
エゾウコギの主成分はエレウテロシドEで、β-エンドルフィンの分泌を促します。このβ-エンドルフィンは脳内モルヒネと呼ばれる物質で、肉体的・精神的な苦痛やストレスを和らげます。どうやら、運動能力が向上するのは、運動によるストレスが減って忍耐力や持久力が上がることによる結果のようです。ということは、スポーツ選手じゃなくても、運動嫌いの人が運動できるようになるためにも効果があるってことですよね。
免疫機能が高まるのは、免疫細胞であるB細胞やT細胞に、このβ-エンドルフィンの受容体があることによるものだそうです。その受容体にβ-エンドルフィンが結合することで免疫が活性化されます。
ストレスが多いと副腎から副腎皮質ホルモンが大量に分泌されますが、これによって脳の海馬の容積が小さくなり、その結果、記憶力が悪くなります。この場合も、β-エンドルフィンが多く存在すると、副腎皮質ホルモンが海馬を萎縮させにくくなるそうです。
前述の本には、引用元文献は挙がっていませんでしたが、集中力についても、 精神疲労度の高い文章正誤テストを行ったところ、エゾウコギエキスを飲んだ人たちの方が正解率が高かったとあります。確かに、面倒な事務作業をやるときにエゾウコギのお茶を飲みながらやると、サクサク作業が進むような気がします。年明けの確定申告の準備作業のときには必須だわ。
それから、大豆イソフラボンのような女性ホルモン活性をもつ成分にエンテロラクトンがありますが、エゾウコギには、その前駆物質のピノレジノール配糖体リグナンが含まれているので、更年期障害や乳がんの予防にもいいそうです。
エゾウコギはどちらかというと、虚弱体質の人に向いているそうで、食欲増進作用もあります。私はなかなか太れなくて、子どものときもガリガリでしたが、ここ最近体重が少し増えて安定してきたのはエゾウコギのおかげかもしれません。
安全性や相互作用にも問題ないそうですが、低血圧に効果があるようなので、高血圧の場合は少し控えめにした方がいいかと思います。
ストレスでコルチゾールが大量に出がちな副腎疲労の初期にもいいんじゃないでしょうかね。
ただ、単体だと味が飲みづらいかもしれないので、ほかのハーブと組み合わせて飲むのがおススメです。苦いのが好きな場合は、オレンジフラワーとのブレンドで、非加熱ハチミツでちょっと甘くすると美味しく飲めます。私の定番は、同じくアダプトゲンハーブのトゥルシー(ホーリーバジル)とローズヒップをブレンドして、アップルビネガーを少し加えたもの。抗酸化作用のあるビタミンCとその吸収を高めるクエン酸をプラスして、抗ストレス効果を増強。
今ひとつ知られていないけれど、とっても効果の高いエゾウコギ。ぜひ試してみてくださいね。
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