牡羊座のボディ・マインド・スピリット

ホリスティック, 占星術

最近、School of Evolutionary HerbalismのAstro-Herbalismのコースを終えたので、12星座をそれぞれ身体面を中心に、ホリスティックな観点から、分子栄養学の視点も取り入れて考察してみたいと思います。

牡羊座の時期もそろそろ終わりなので、まずは牡羊座。これは必ずしも太陽星座が牡羊座の場合についてではなく、牡羊座が強調されている場合なども含みます。たとえば、牡羊座の天体がたくさんあったり、アセンダントや健康を表す6ハウスのカスプが牡羊座であるなどです。牡羊座の支配星は火星なので、火星が強調されている場合も関連してくると思います。

牡羊座・火星と人体

占星術では人体を頭から順番に十二星座に当てはめていきますが、牡羊座はトップの星座なので頭。牡羊座・火星には発熱も関連します。頭にある視床下部は、体温を調節します。牡羊座は活動宮の火の星座なので、勢いよく熱を体中に循環させるイメージです。その点で、血液も関連してきます。火星が司る金属は鉄で、血液にたくさん含まれていますね。

ほかには副腎にも関連します。副腎は腎臓にのっている小さい臓器で、副腎皮質からはコルチゾール、アルドステロン(血圧調節に関連)、DHEA(性ホルモンの合成に関連)など、副腎髄質からはアドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンを分泌しています。

闘争・逃走反応と関連するのが副腎です。大きなストレスとなる状況に遭遇すると、アドレナリンやコルチゾールが大量に分泌されて、戦うか逃げるかの選択をします。交感神経が優位になり、血液は臓器ではなく末梢(手足)に向かうので、消化機能は下がります。ポリヴェーガル理論では、フリーズするという第三の選択肢があり、その場合は背側迷走神経(副交感神経)が優位になるとしていますが、ここでは置いておきます。

コルチゾールには抗ストレス作用がありますが、ほかにも抗炎症作用や血糖値上昇作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用などもあります。なので、ストレス過多でコルチゾールが枯渇してくると、アレルギーも出やすくなり、慢性的な炎症を起こすことになります。

副腎疲労になりやすい

長期的にストレスにさらされると、いわゆる副腎疲労になりやすくなります。これは、HPA(視床下部-下垂体-副腎)軸の機能障害で、コルチゾールの分泌は、視床下部や下垂体で調節されるのですが、ストレス状態があまりに続くと、調節が効かなくなってコルチゾール過剰になり、しまいには枯渇してきてしまいます。そうなると、血糖値を維持するのが難しくなり、低血糖に陥りやすく、やる気が出なくなったり、うつっぽくなったりします。また、コルチゾール値は朝がいちばん高いのですが、副腎疲労状態にあると、朝起きられなくなりますし、値がいちばん低くなる午後4時ごろにはぐったりしているか、初期であればアドレナリンでカバーしているので、イライラしやすくなります(初期の場合は、まだ元気があるので副腎疲労の自覚がないそうです)。やたらと甘いものやカフェインを摂りたくなる場合は、副腎疲労を疑ったほうがいいでしょう。ちなみに、血圧を調節するアルドステロンにも影響するので、しょっぱいものも食べたくなります。

補食をこまめに摂ることが重要

火の星座の牡羊座・火星はアーユルヴェーダでいえばピッタに相当すると思いますが、ピッタはアグニ(消化力)が強めです。アグニは消化力だけでなく、代謝そのものも表すので、代謝力が高いといえるでしょう。以前に書きましたが、占星家のJudith Hill氏は太陽と火星のアスペクト、特にコンジャンクションやスクエアは代謝が過剰になると言っています。

なので、補食をこまめに摂ることが大切です。副腎疲労でも、補食は重要だと言われています。ポイントは、お腹がすく前、つまり低血糖にならないうちに、血糖値を急上昇させないようなものを摂ることです。血糖値が下がり切った状態で糖質を摂ると、急上昇しやすくなり、インスリンが大量に分泌されるので、その後に血糖値が乱高下します。そして、甘い飲み物、特に異性化糖(ぶどう糖果糖液糖など)が入ったものは血糖値が急上昇しやすいので避けるべきです。糖質を摂るのであれば、でんぷんの形で摂ること。ひと口大のおにぎり、甘栗や干し芋などがおすすめです。時間がないときは、非加熱ハチミツをスプーン1杯。酵素が熱で壊されていないので、すみやかにエネルギーになります。

物事を率先して行う勇敢な牡羊座強調の人は、突っ走るあまり、熱中して食事を忘れることもあるかもしれません。早食いになっていないか注意が必要です。

人生の目的にエネルギーを注ぐ

牡羊座強調の人にとってのストレスは、せっかちなあまり物事が思うように進まずにイライラしたりフラストレーションになったりすること。その場合は、流れにまかせることを学ぶ必要があります。また、開拓精神旺盛なので、わざわざ自分から困難な課題にチャレンジすることもあるかもしれません。困難に立ち向かうためにエネルギーを使ってしまっていないか、そもそも何のためにそれをしたいのかを振り返ることも大切。いちばんになりたいというエゴを抑えて、エネルギーを自分のためだけでなく、他者のためにも使えるようになることが、成長には必要です。進化するには、自らの怖れに目を向けて、意志や勇気を培うこと。日常的な行動が人生の目的に沿ったものであるかを振り返ってみましょう。

ハーブやフラワーエッセンスでのケア

燃え尽きが心配なため、事前にストレス対策が必要です。ストレスへの抵抗能力を高めてくれるアダプトゲンハーブがおススメ。アシュワガンダやロディオラなど、サプリメントになっているものもありますが、ホーリーバジルは副腎疲労の初期にも疲弊期にも使え、お茶として美味しいのでお勧めです。石垣島産のものは特に香りが素晴らしい。マイタケもアダプトゲンハーブです。

鉄が不足しているときは、ネトル。牡羊座の時期に勢いよく育つ火星のハーブです。抗炎症作用があり、アレルギー改善にも役立ちます。ビタミンCの豊富なローズヒップやクエン酸の入ったハイビスカスとブレンドすると吸収されやすくなります。

やりたいことの計画を立てるのにあれこれ考え過ぎてグルグル思考に陥ってしまったときは、パッションフラワーが頭を静めてくれます。オレンジフラワーとブレンドして、非加熱ハチミツを加えると飲みやすくなりますよ。

ストレス管理には、瞑想や呼吸法もいいでしょう。特に、舌をストローのように丸めて息を吸うシータリーという呼吸法は身体を冷やしてくれます。また、こめかみにラベンダー精油の入ったクリームを塗ると、頭痛にもよいし、頭に上った気を下げるのに役立ちます。やけど(火星)にも使えますよ。

あとは、運動で怒りやイライラを解消。

オーストラリアン・ブッシュフラワーエッセンスでは、一例を挙げると、せっかちでイライラしやすい場合は、ブラック・アイド・スーザン、怒りが強い場合はダガー・ハキアが使えます。怖れにはドッグ・ローズ、燃え尽きにはマクロカーパ。ティッシュソルトは、ストレスに効果的なKali Phosが牡羊座に対応づけられています。

これらは、牡羊座や火星が強調されている人のすべてに当てはまるわけではありませんが、思い当たるところがあれば、参考にしてみてくださいね。