相手が変わらないなら自分が変わればいい。でもどんなふうに?

こころ, 人間関係

人間関係に悩みはつきものです。相手がこうしてくれたら、あるいは、しないでくれたら、と思うこともよくあるでしょう。相手の行動によって自分に負担がかかっているならなおさらです。でも、相手はなかなか変わってくれそうにない。そんなときにはどうしたらいいでしょうか。

よく「相手が変わらないなら自分が変わればいい」ということが言われます。確かにその通りなのですが、どんなふうに変わるかには注意が必要です。

よくやりがちなのが、相手の行動には目をつむって自分が我慢するというもの。「自分さえちょっと頑張れば」「もうちょっと我慢すれば」などと思ってしまいます。それではいつか不満が爆発するか疲れ果てて倒れるかになるのは目に見えています。

もちろん、相手に言葉で伝えることが肝心です。できるだけ波風を立てたくないので、察してほしい、と思うかもしれませんが、そもそも、察してくれるのなら、とっくに察しているはずです。ここは、不満を爆発させる前に、冷静なうちに言葉で相手にどうしてほしいか、そうしてくれると自分がどんなふうに助かるのか伝えてみましょう。

それでも変わってくれないこともあります。そんなときには自分が変わるしかないのですが、それは、相手の問題を引き受けないようにすることです。自分が代わりにやってしまうことで、相手はそれが当たり前だと思ってしまい、また同じことが繰り返されます。

でも結局その尻拭いをしなければならないから、と思っても、その問題の後片付けは、当の本人にやらせることです。

心優しい人は、どうしても相手に寄り添ってしまい、他人の問題を引き受けがちですが、それは別の見方をすれば、相手の成長を妨げることにもなります。

また、他人の問題を引き受けてしまうという、その背後にあるものを見ることが大切です。それは嫌われたくないから、あるいは、自分にはダメな人間だから、せめて人の役に立たなければ、というような自信のなさから来ていないでしょうか。できるだけ寛容な人間でいたいという意識が働いている場合もあります。

もしそういった感情に気づいたなら、それを否定することなく、そういう感情があるんだということに気づいておくことです。他人を大切にするのと同じように、自分を大切にしてありのままの感情を受け止めることも大事。

慈悲が大切と言いますが、まずは自分自身への慈悲を大切にしましょう。