人格系と発達系、そして「#14 Art」

こころ, タロット, , 発達障害

最近読んだ本で面白かったのが、「人格系と発達系」について書かれたこの2冊。一気読みしてしまいました。

著者はユング派の心理学者。人格系とは「空気を読む人」で、調和を何よりも重んじます。それが行き過ぎたものがいわゆる人格障害。発達系はその逆で、「空気を読まない人」。要はマイペース。その最たるものがいわゆる発達障害(「読まない」というか、「読めない」なんだけど)。著者によると、人は人格系と発達系のどちらかのタイプに当てはまるのだそうです。

もちろん、これはきっちりとした境界があるわけではなく、グラデーションになっています。そして、必ずしも固定的なものでもなく、状況や環境次第で、人格系から発達系に変わることもあれば、その逆も起こり得る。本当は発達系なのに、しぶしぶ人格系をやっていたり、その逆だったりする場合もあるということです。親やパートナーとの関係の中で変わってくることもあります。集団の中での立ち位置で変わってくることもあるでしょう。

たとえば、発達系の人間ばかりの集団では、誰かしら常識的な言動をしないと上手く回らないことから、誰かが人格系の要素を前面に出さざるを得ないこともあるでしょうし、逆に人格系の人間ばかりの集団では、空気を読み合ってばかりで何も進展しないので、誰かが空気を読まずに本質を突くようなことを発言せざるを得ないこともあります。

人格系は発達系のことを「空気読めよ!」と思い、発達系は人格系のことを「空気読みすぎ」と思い、対立や衝突が起こるわけです。少数派の発達系が理解されずに苦しむ一方、人格系は常に空気を読まなければならなくて、それはそれで苦しい。実はどちらも生きづらい。

ここで著者が言っている大切なことは、ひとりの人間の中にどちらの要素もあるということ。自分が抑圧しているものを相手の中に見るときに、相手に腹が立ち、非難したくなるのです。

人格系の中には発達系の「もうひとりの私」がいて、発達系の中には人格系の「もうひとりの私」がいる。重要なのは、人格系と発達系の対立を解消するには、まずは自分の中の「もうひとりの私」の言わんとすることに耳を傾け、
「もうひとりの私」 と和解すること。本の中では「目指すべきは、対立の解消ではなく、無限に連鎖していく和解」とありました。

ふと気づいたのです。ああ、これって、トートタロットの「#14 Art」のカードが言わんとしていることなんだなと。