あなたの今の生きざまを動物にたとえると?

こころ

先月から月に1度のフォーカシングセミナーが始まりました。ずっと受けたかった池見陽さんの講座です。

フォーカシングは心理手法で、からだに感じられる「フェルトセンス」に注意を向けます。フェルトセンスとは何かというと、何か気がかりなことを思い浮かべたときにからだに感じられる微妙な感覚とでも言ったらいいでしょうか。

私はずっとヴィパッサナー瞑想をやってきて、身体の感覚を延々と観察することには慣れているのですが、感覚に気づいて、ただそれが移り変わっていく様子をただひたすら観察するヴィパッサナーと違って、フォーカシングでは、特定の事柄にまつわる漠然とした感覚を観察するだけでなく、呼び名を付けたり対話したりもします。

1回目の今回は、フォーカシングそのものではなく、アニクロ(Crossing with animal)という手法を教わりました。このワークでは、ペアになって、今の自分の生きざまを動物にたとえると何かについて相手に述べて、話し合うというものです。

私がやってみたところ、数日前にお風呂場で見た虫が浮かんできました。水がかかるたびにパニックになってジタバタしています。逃げようにもどっちへ行っていいかわからず、右往左往。早く逃げないと水で流れちゃうよ、と思いながら、全体像が見えずに焦ってジタバタする姿が、何だか最近の自分と重なって見えたのです。

そのことを話すと、ペアを組んだ方に「じゃあ、その虫を見ている自分を動物にたとえると?」と訊かれました。そのときにパッと浮かんだ答えが「恐竜!」。

自分でも意外な答えでしたが、恐竜がジタバタしている虫を「しょうがないなあ~」と思いながらじっと見守っている感じがしたのです。鼻息で虫を飛ばしちゃったりしないように気をつけながら(笑)。

すると「では、いったい自分は虫と恐竜のどっちなのか?」と問いかけられて、「はて?どっちなんだろう?」と考えてみたら、どちらでもあるのだと思いいたったんです。

つまり、ジタバタしている虫だと思っていたけれど、それをせかさずにそっと見守っている大きな自分もいたことに気づいたのですね。たったそれだけのことなのだけれど、ジタバタしている自分を受け容れることができて、ちょっと落ち着いたのでした。

最初にイメージしたものが、他人の視点を挟むことで大きく変わってしまったんです。面白いですね。このワークには特に答えはなく、自由にできるので、身近な人とぜひやってみてください。あなたの今の生きざまを動物にたとえると?