からだ, こころ, 分子栄養学

最近、いわゆる「繊細さん」についての本をたくさん見かけるようになりました。「Highly Sensitive Person(HSP)」は、心理学者のエレイン・アーロンが20年以上も前に提唱した言葉ですが、ここ数年で日本でも広く知られるようになりました。感受性が人一倍強く、敏感な人のことです。周囲の環境に敏感で、気疲れしやすく、不安や恐怖を感じやすいので、本人は生きづらさを抱えています。

HSPは生まれつきの気質であって、治すべきものではない、という意見がよく聞かれます。もちろん、繊細さや敏感さは裏を返せば、多くの人が気づかないことにも気づき、特殊な感性をもっているという意味で、素晴らしいものだと言えます。でも、分子栄養学的な観点からすると、ちょっと違ったことが見えてきます。

たとえば、HSPの人は、感覚過敏のあることが多く、音や光や匂いに敏感だったりします。また、化学物質に敏感な人もいます。こうした症状は、分子栄養学的には、ビタミンB群不足と見ることもできるかもしれません。

神経伝達物質のGABAは、グルタミン酸から作られますが、このときにビタミンB6が必要です。B6が不足すると、GABAが作られずにグルタミン酸が過剰になり、脳が興奮状態になって聴覚過敏なども起こりやすくなるそうです。ビタミンB6はセロトニンやドーパミンの生成にも必要です。

また、ビタミンB12が足りないと、解毒のための代謝経路が上手く回らず、化学物質が上手く解毒できなくなります。

もちろん、こうした代謝には補酵素として各種ミネラルなども必要になります。

こうして代謝が上手くいかずにストレスが過剰になれば、副腎から抗ストレスホルモンであるコルチゾールがたくさん分泌されるので、副腎疲労にもなります。アドレナリンやノルアドレナリンも分泌過剰になるので、イライラや不安感も強くなるでしょう。これらのホルモンが枯渇してくれば、低血糖になりやすくなり、精神的にも不安定になります。

では、ビタミンB群などをサプリでたっぷり入れれば問題は解決するかというと、そう簡単にもいかず、もっと食生活や生活習慣全体を見直していくことが必要です。

以前に熱心に瞑想していた頃、自分も含め、周囲にはベジタリアンが多かったのですが、敏感な人が多かったように思います。ビタミンB6は主に肉類に多く含まれていますし、ビタミンB12は菜食では摂れません。ベジタリアンだと糖質がほとんどになるので、血糖値の上下が激しくなり、自律神経が不安定になります。なので、敏感になるのも無理はありません。肉類を食べなければ腸内環境は良さそうですが、代わりに糖質を過剰摂取していればカンジダ菌などが増殖して腸内環境で悪化するので、腸内細菌が作ってくれるはずの栄養素も作られにくくなります。

菜食を長期にわたって続けていると、タンパク質から作られる消化酵素も不足しているので、肉類を食べ始めても消化できずに、ほら、私、やっぱり肉が合わないのよ、ということになります。交感神経が優位になっていると、胃酸もあまり出ません。そんなときには、消化酵素やベタイン塩酸を摂りながら、ボーンブロスやひき肉などの消化されやすい形から始めるのがお勧めです。ただ、ボーンブロスにはグルタミンがたくさん含まれるため、グルタミン酸過剰になってかえって調子が悪くなることも考えられるので、様子を見ながら少しずつ摂るのがいいと思います。

あとは、添加物としてよく入っているグルタミン酸(「アミノ酸」と表示されていることも)や果糖ブドウ糖液糖などや、カフェインやアルコールなどの刺激物をできるだけ避けることも大切です。

これらのことはごく一部に過ぎませんが、 こんなふうに、繊細さを残しつつも、困る部分は改善することもできるんですよ。発達障害についても同じです。それを、生まれつきであって治すべきものではない、と片づけてしまうのは、より良い人生を送る機会を失うことになるのでもったいないかと。

今年もたわわに咲きました。

からだ, 分子栄養学

油の摂取を気にしている人は少なくないかと思います。女性は特に、太るのではないかと気にしますよね。では、油は悪者かというと、必ずしもそうではありません。問題は、どんな油を摂るか。

脂質には、いろんな機能があります。脂肪酸は身体を動かし、リン脂質は身体を構成し、脂質メディエーターは身体を整えます。脂質メディエーターとは、生理活性をもつ脂質のことで、免疫や炎症など、さまざまな生理機能の恒常性を保つのに役立ちます。

オメガ6とオメガ3のバランスが大切だというのは聞いたことがある人も多いでしょう。オメガ6やとオメガ3などのPUFA(多価不飽和脂肪酸)由来の脂質メディエーターのバランスが崩れることで、さまざまな疾患が発症したり悪化したりします。

オメガ6が多く、アラキドン酸が過剰に作られると、生理痛やアレルギーにもつながります。アラキドン酸からは炎症を促進する物質が作られるので、それが長引くと慢性炎症になります。慢性炎症は万病のもととも言われているのです。オメガ6はサラダ油などの植物油に多く含まれます。

一方、炎症を抑えてくれるのが、EPAやDHAなどのオメガ3。魚やアマニ油やエゴマ油に多く含まれています。感染によっても炎症が起こるので、オメガ3の脂肪酸がたくさんあれば、感染して炎症が起きても、早く鎮静できます。まだコロナ感染のリスクがある今の時期、オメガ3が少ないと、万が一感染したときに大変です。

では、オメガ6って悪者なのかというと、必ずしもそうではなくて、アラキドン酸から作られるロイコトリエンB4は、腸管でIgA抗体を作るのに関わっているのだそうです。IgA抗体は感染防御には欠かせません。

やはり大切なのはオメガ6:オメガ3比。

私も分子栄養学を学び始めてから、脂質には気をつけています。オメガ3は加熱調理には使えないので、調理にはオメガ9の多いオリーブ油や、揚げ物には国産の菜種油(賛否は別れるようですが)を使い、以前にたっぷり使っていたゴマ油はオメガ6が多いので、風味付け程度にしています。肉類にはオメガ6が多いので、お肉をがっつり食べるときには、サラダのドレッシングにエゴマ油を使ったり。

3対1くらいがいいと言われていて、1対1が理想だそうだけれど、実際のところ、これでいいのかわからなかったので、脂肪酸検査なるものを受けてみました。割引になる機会があったので、このチャンスにと。

その結果がこちら。


オメガ6:オメガ3比は2.70:1で、まずまずです。AA:EPA比は、細胞に残った炎症を解消させる能力があるかの指標だそうですが、こちらも悪くありません。トランス脂肪酸も多くない。安心しました。栄養に気を遣ってきただけのことはある。

オメガ6:オメガ3比、気になる方は一度検査を受けてみるといいですよ。郵送でできます。生理痛やアレルギーのある方はぜひ一度。

自己採血 脂肪酸検査キット

 

からだ, こころ, ハーブ, フラワーエッセンス, ホリスティック, 植物

このところ、暖かくなって春めいてきましたね。春に向かっていくこの時期に、冬のあいだに溜まった老廃物を出したいところです。

私は菜の花のお浸しが大好きで、この時期にしか出回らないので、ここぞとばかりに毎日のように食べています。菜の花には解毒作用や抗酸化作用などのあるイソチオシアネートが含まれているほか、ビタミンやミネラルもたっぷりです。

イソチオシアネートはアブラナ科の植物に多く含まれています。キャベツ、ブロッコリー、大根、白菜、かぶ、わさび、チンゲンサイ、クレソンなどもそうです。ブロッコリースプラウトのスルフォラファンというよく知られた成分もイソチオシアネートです。

ハーブで毒出しによいのは、ダンディライオン(タンポポの根)やバードックなど。バードックはゴボウのことですが、海外では食用ではなくメディカルハーブとして用いられます。浄血や解毒作用があります。

ネトルも浄血作用や利尿作用があり、花粉症予防のための体質改善によいとされているので、今のうちから摂っておきたいですね。

ほかには、アーティチョーク、ミルクシスル、ウコンなども解毒に大切な肝機能を高めてくれます。ウコンには春ウコンと秋ウコンがありますが、強肝作用のあるクルクミンは秋ウコンの方が多いそうです。春ウコンにはそれほど含まれていません。それから、ローズマリーやジュニパーもデトックスによいようです。

今年は、ジェモエッセンスを試してみることにしました。ジェモエッセンスとは、植物の新芽の植物幹細胞の成分を抽出したもので、植物がこれから育っていくための生命力が物質的にもエネルギー的にも入っているのだとか。身体だけではなく、心にも働きかけます。

ちょっと前に、割引で購入できる機会があったので、デプラリスというミックスエッセンスを買ってみました。


これは、ローズマリーとジュニパーのジェモエッセンスに加えて、ゴボウ、タンポポ、クロダイコンのエキスが入っています。ばっちり、毒出しできそうですね。花粉症やアレルギーのある人はアレルゴリスの方がいいと思います。

身体だけじゃなくて、心もスッキリしたいという人は、オーストラリアン・ブッシュフラワーエッセンスのピュリファイング・エッセンスというコンビネーションを試してみてください。不要な感情のゴミをすっきりさせることができます。ボウヒニア、ブッシュ・アイリス、ボトルブラシ、ダガー・ハキア、ドッグ・ローズ、ワイルド・ポテト・ブッシュが入っていて、エネルギー的に肝臓や腎臓などの臓器にも働きかけます。

12日は新月。浄化にも物事を始めるにももってこいの日です。私は新月から始めようかなと思っています。みなさんも一緒にいかがですか?

からだ, ハーブ

少し前に分子栄養学と精油による感染対策についてお伝えしましたが、今回はハーブによる感染対策です。不安がる前に、免疫力を高めるために、まずは自分でできるだけのことはしましょう。

免疫力を高めるハーブと言えば、真っ先に思いつくのがエキナセア。お茶にしてもいいですが、私はよくチンキ剤を作ります。ほんの少しスパイシーな味なので、スープに入れても美味しいのです。キク科アレルギーのある人は要注意。

万能ハーブのトゥルシー(ホーリーバジル)もおススメです。ストレスへの抵抗力を高めてくれるアダプトゲンハーブでもあるので、外出が少なくなってストレスが溜まりがちな人はぜひお試しを。インドのアーユルヴェーダではよく知られたトゥルシーですが、西洋医学では研究はまだあまり進んでいないようで、論文はまだ数多くありません。それでも、エビデンスレベルは高くはないものの、トゥルシーの葉の抽出物が免疫細胞を増加させたという論文もあります。何と言ってもトゥルシーは美味しいので、お茶として飲めばいいことづくめですよね。

白血球が感染現場に素早く到達する能力を高めるのはビタミンC。ビタミンCがたっぷり摂れるハーブと言えば、ローズヒップです。クエン酸と一緒に摂るとビタミンCが吸収されやすいので、ハイビスカスとよくブレンドされます。私の最近のお気に入りは、アップルビネガー(リンゴ酢)をローズヒップと生姜のティーで割ったもの。これを飲むと疲れも吹き飛びます。

この冬は、何度となくボーンブロスを作っていますが(石油ストーブを使っているので)、エキナセアや免疫賦活作用のあるマイタケを入れれば感染対策バッチリ。
日持ちのしやすい冬はまとめて大量に作れるので、栄養がたっぷり摂れるうえに手抜きもできる。おかげで、この1月は、分子栄養学の試験やら資格更新レポートの提出やら、出版予定の翻訳書の校正作業やら、やることが山積みだったけれど、順調に余裕をもって片づけられました。栄養が整っていると、頭も働くのです(^_^)v 。

からだ, ハーブ

以前にも少しお伝えしましたが、精油を使った感染対策についてまとめてみました。

感染対策に使える精油はいろいろありますが、手に入りやすいものには次のような精油があります。

① ティートリー
抗ウイルス作用や免疫賦活作用があります。テルピネン-4-オールという成分が、白血球の分化を誘導し、マクロファージの増殖を促進します。

②  ユーカリ
1,8-シネオールという成分に、 抗ウイルス作用や繊毛運動の亢進による去痰作用があります。

③ 青森ヒバ
ヒノキチオール(β-ツヤプリシン)という成分が、分泌型IgA抗体の産生を促進して、上気道に働きかけます。これは、吸入によって効果が出るので、経皮吸収では効果がないようです。芳香浴だけじゃなく、マスクにスプレーしたりするのもいいですね。

「ヒノキチオール」という名前からすると、ヒノキにたくさん入っているような感じを受けますが、実際にはヒノキにはあまり含まれていないそうです。

IgAはストレスや疲労によって減少するそうなので、スッキリした香りの青森ヒバはストレス解消にもなるのでおススメです。

しばらくはこの状況が続きそうですので、日常生活でさまざまな工夫をして、上手く乗り切りましょう。

からだ, 分子栄養学, 日々の工夫

毎日のようにコロナ感染者数増加が報道されて、不安に思っている人も少なくないでしょう。ワクチンが摂取できるようになったとしても、ウイルスが変異すれば効かなくなる可能性もあります。結局は、ウイルスと闘える身体を作るのがいちばんの予防策ではないかと思うのです。それに、この冬はうっかり風邪も引けませんしね。

以前にも何度が書きましたが、改めて、分子栄養学の観点による感染対策を簡単にまとめてみました。

まずは、入り口のところで対処したいものです。そのためには、上気道の粘膜はムチンという粘液でしっかり覆われていることが大切。ムチンはタンパク質でできています。

また、粘液層に分泌されるIgAをはじめとする免疫グロブリンもタンパク質でできているので、タンパク質不足だと抗体が作られにくくなります。ビタミンAや亜鉛、グルタミンも粘膜に重要です。

ビタミンDも抗菌タンパクに必要な栄養素。ビタミンDは免疫過剰を抑えてくれる制御性T細胞を誘導するとも言われています。血中ビタミンD濃度が低い人は、コロナに感染した場合に重症化しやすいという論文も、今ではだいぶ増えています。

ビタミンAもビタミンDも脂溶性ビタミンなので、脂質の吸収に必要な胆汁酸が不足していると、吸収されにくくなります。胆汁酸の原料であるコレステロールの値が低い場合は、ミセル化したサプリメントを摂ったりするといいでしょう。

ビタミンCは免疫細胞を刺激して、感染部位に集結するのを助けるそうです。白血球の遊走性が増すということのようです。風邪を引いたかなと思ったら、ビタミンCのサプリメント1000mgを1時間おきに摂ると、だいぶ楽になります。

冬はボーンブロスや牡蠣鍋に緑黄色野菜をたっぷり入れて食べるとこうした栄養素がまとめて摂れるのでおススメです。私は栄養療法を始めて、この4年、風邪らしい風邪を引いたことがありません。栄養状態をできるだけ万全にして、この冬を乗り越えましょう。ボーンブロスのスープはお肌の調子もよくなりますよ(*^_^*)。

からだ

またコロナ感染者増加ということで、騒がしくなってきましたね。今年はヘタに風邪も引けないので、体調には十分気をつけたいところ。

これまでも何度か対策をお伝えしてきました。

ビタミンDについては、先日NHKで放送していた『新型コロナ 全論文解読』という、AIが新型コロナに関する20万本の論文を解析した結果についての番組でも、上位にのぼっていました。それほど、今ではエビデンスも得られつつあるんですね。イギリスではなんと、一部の高齢者に対して無料でビタミンDのサプリメントを配布するのだとか(こちらの記事参照)。日照不足になる冬は、サプリで摂取するのが確実です。

さて、今回は、鼻うがいについて。

外から帰ってきて喉をうがいするなら、鼻もうがいしたいところです。最近は、サイナス・リンスなどの鼻うがい用の製品やヨガのネティ・ポットなどもネットで簡単に手に入ります。でも、あんまりお金をかけたくない、という場合は、「吸い飲み」を使うのがおススメ。100均でも売っているそうです。

人肌くらいのぬるま湯に0.9%の塩を入れるだけ。これより濃くても薄くても、鼻がツーンとするのでご注意。きっちり計らなくても、何度かやっているうちに、加減がわかってきます。

流し台に前かがみの姿勢で顔を傾けて、片方の鼻から食塩水を吸い込みます。反対側の鼻から上手く出ないときは、口から出しましょう。

私はコロナ流行以前から、この鼻うがいをやっています。アレルギー性鼻炎にもいいし、慢性上咽頭炎にもいいのだとか。慢性上咽頭炎のある人は意外に多いらしく(本人が気づいていない場合も)、自律神経の乱れにもつながりますし、慢性炎症があるとその火消しに栄養がかなり消費されてしまいます。

この機会に、お手軽に鼻うがいをしてみませんか。

からだ, こころ, 分子栄養学

涼しくなって、チョコレートがベタつかない季節になりました。チョコは私も大好きで以前はよく食べていました。高カカオのものはポリフェノールがたくさん含まれていて、身体にいいとも言われていますよね。でも、ポリフェノールだけに注目すれば確かに身体にいいかもしれないけれど、食べ過ぎはやっぱり良くないのです。

砂糖が入っているから?それもあるけれど、問題は銅の過剰摂取になること。

カカオ豆には銅が豊富に含まれていて、チョコレートやココアに加工された後も多く残るそうです。

銅は身体には欠かせないミネラル。ヘモグロビンの合成を補助して造血を助けたり、抗酸化にも関わっています。

ところが、やっぱり、過ぎたるは猶及ばざるが如し。過剰になると問題も起こってきます。

神経伝達物質のドーパミンからノルアドレナリンに変換されるときに、銅が必要ですが、銅が過剰だと、その変換が促進されやすくなって、ノルアドレナリンが増えすぎてしまいます。ノルアドレナリンは、新しい知識を長期記憶として貯蔵するときなどに必要です。でも、これもやはり過剰だと、脳の扁桃体が過活動になって、不安が高まったりパニック状態になったりします。

ノルアドレナリンはアドレナリンに変換されるので、すんなり変換されればアドレナリン過剰になって、イライラしたり攻撃的になったりします。アドレナリンに変換されないと不安が強く、メソメソしがちに。

銅は亜鉛とブラザーイオンと言われていて、1対1が理想的なのですが、片方が増えると片方が減ります。つまり、銅過剰は亜鉛不足につながるのです。亜鉛も大切なミネラルで、酵素反応を促したり、生殖機能を高めたりしますし、免疫にも欠かせません。

ところが、現代の食生活ではただでさえ亜鉛が不足しがち。チョコを食べ過ぎれば、亜鉛不足はさらに深刻になります。

また、銅を運ぶセルロプラスミンというタンパク質は、エストロゲンが過剰になると増加します。なので、妊娠中のチョコはさらに銅過剰を悪化させます。妊娠中に情緒不安定になりやすいのは銅過剰が一因なのですね。

でもそもそも、無性にチョコレートが食べたくなるのはなぜなんでしょう?

考えられる原因のひとつは、低血糖。だるく、やる気が出ないので、血糖値を上げようとして糖分を欲します。また同時に、チョコに含まれるテオブロミンというカフェインに似た成分を摂ることで、動くためにしゃっきりしたいのです。特に、寝起きにチョコを食べたくなるような場合は夜間低血糖を起こしているかも。

そして、低血糖の背後には、副腎疲労が隠れているかもしれません。朝がつらいのはそのせいかも。

子どもにイライラしてつい怒鳴ってしまうのも、先のことが不安で仕方がないのも、自分が未熟だからでも、心配性だからでもないかもしれませんよ。まずは、チョコレートを食べ過ぎていないか振り返ってみましょう。

からだ, 分子栄養学

少し前にも更年期症状についてのお話をしました。私も年齢的には該当するので、周りから更年期についての悩みを聞くことも多々あります。ここのところよく耳にしたのが、コレステロール値が高いということ。

コレステロールは各種ホルモンの材料。女性は閉経になると、卵巣でエストロゲンが作られなくなるので、材料が余ってきます。なので、コレステロール値が上昇するのはいたしかたのないこと。分子栄養学では、そうした場合のコレステロール値の上昇はさして問題ではなく、むしろ低い方が問題と見ます。ほかのホルモンや胆汁酸の材料が少なくなるからです。

コレステロール値上昇を嘆いていた女性たちも、更年期だから仕方ないのかなと思っていたのですが、気になったのは、脂質異常症とは無関係そうな身体の細さ。コレステロールが上がるのを気にして食事制限などしたら、ますます細くなってしまうのでは、と心配になりました。

もしやこれが原因では、と思ったのは、分子栄養学の勉強をしていたときのこと。コレステロール値が高くて中性脂肪の値が低い場合、甲状腺機能が低下している可能性があるとのことでした。これは、必ずしも痩せてる人に限らず、低中性脂肪でもぽっちゃり、ということはあるそうです。

通常、甲状腺機能を見るにはTSH(甲状腺刺激ホルモン)やT4(サイロキシン)・T3(トリヨードサイロニン)という甲状腺ホルモンの値を見ますが、TSHやT4が正常で、FT3の値だけが低下するLow T3症候群というものがあるそうです。この場合、LDLコレステロールが上昇してHDLコレステロールが低下するのだとか。

このLow T3症候群、極端なダイエットや糖質制限、拒食症などで、起こることがよくあるそうです。カロリー不足や栄養不足でエネルギーが作られないと、身体が省エネモードに入り、甲状腺機能が低下します。作られる甲状腺ホルモンが少なくなれば、コレステロールはその分余ってきます。症状としては、だるさ、肌荒れ、むくみ、抜け毛、便秘、低体温、低血圧などで、うつや更年期症状とも一部似ています。過度のストレスも原因になるそうで、副腎疲労とも関連してきます。

ハーブではアシュワガンダやロディオラがいいそうです。

TSHやT4の値が正常なので、通常のクリニックでは問題なしとされてしまいます。気になる方は、分子栄養学クリニックを受診することをお勧めします。

からだ, 分子栄養学

女性は40代半ばを過ぎると更年期症状が気になってきます。私の周りにも「更年期かも…」と言っている人は何人もいるのですが、果たしてそれは本当に更年期症状でしょうか。だるさや鬱っぽさを「更年期だから仕方ないよね」とあきらめて我慢していても、実はほかの問題だということもあり得るのです。

うつや自律神経失調や慢性疲労も似たような症状が出ますが、それらも含めて、副腎疲労ということも考えられます。

副腎疲労とは、日本ではまだあまり知られていませんが、めずらしいものではなく、多くのストレスにさらされる現代社会では実際にはとても多いと言われています。

過剰なストレスや体内の慢性炎症などによって、副腎から抗ストレス・抗炎症ホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌され、栄養状態の悪さも手伝って、しまいには副腎が疲れてコルチゾールを分泌できなくなってしまいます。これが副腎疲労で、うつっぽい、朝起きられない、いつも疲れている、イライラしやすい、甘いものやしょっぱいものをやたらと食べたくなるなど、一部、うつ病や更年期障害と似たような症状が出ます。

副腎疲労はアメリカではよく知られていて、更年期症状がひどい場合にはまず副腎疲労を疑うそうです。副腎ではコルチゾール以外にもさまざまなホルモンが作られていて、性ホルモンもそのひとつです。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンは主に卵巣で作られますが、副腎でもDHEAという性ホルモンの前駆体が作られています。これがエストロゲンに変換されるので、副腎疲労があると、卵巣が機能しなくなった後にDHEAからエストロゲンを作ることができず、更年期症状がひどくなるそうです。

また、ホルモンはコレステロールから作られますが、性ホルモンよりも血糖値を維持するコルチゾールの方が生命に重要なので、コルチゾールが不足していると性ホルモンを作るのは後回しになります。そのため、若い女性であっても、PMS(月経前症候群)の症状が出やすくなったりします。

がんばり屋さんは副腎疲労になりやすいと言えます。副腎疲労を治すには、食事も含めたライフスタイルそのものの見直しが必要です。無駄なことにエネルギーを費やさないこと。しんどいのに、カフェインで無理やり交感神経を上げて動くようなことはしないことです(カフェインはコルチゾールのリサイクルを妨げます)。

最近はわかりやすい副腎疲労の本も手に入るようになりました。更年期かなと思ったら、まずは副腎疲労を疑ってみてください。

疲れがとれない原因は副腎が9割 (フォレスト2545新書)

疲れがとれない原因は副腎が9割 (フォレスト2545新書)作者:御川安仁

しつこい疲れは副腎疲労が原因だった (祥伝社黄金文庫)

しつこい疲れは副腎疲労が原因だった (祥伝社黄金文庫)作者:本間良子,本間龍介